法事とは、仏教行事の一つです。故人の冥福を祈って供養するためのもので、初七日から始まり、七日ごとに法要を行い、四十九日を一区切りとします。四十九日が明けると「忌明け」とされ、その後は年に一度の年忌法要となります。一周忌や七回忌などと呼ばれるものが年忌法要に当たります。忌明けまでの法事は初七日と四十九日以外は遺族の身で行うのが一般的です。
また、お盆やお彼岸も法事に当たります。お盆は故人の霊が家族の元に返ってくると言われており、彼岸はお寺で行われる法要やお墓参りに行くことで、故人に対して感謝の気持ちを捧げるためのものです。
勘違いされがちなのは、法事と葬式は違うという事です。通夜や告別式、火葬などを葬式と呼びますが、同じ仏教の行事ではありますが、法事とは全く別物です。葬式は故人との別れの場ですが、法事は故人を悼み、死後の供養をするための行事です。また、法要で親類や故人の知人が集まる事で、故人を通して人とのつながりを深めるという意味もあります。
法事の引出物の金額の相場は、特に決まりがあるわけではありませんが、大体3,000円から5,000円あたりの価格帯から選ぶのが一般的なようです。法事の際の引き出物は、だいたい皆さんこの価格帯から選ぶことが多いので、引き出物の種類も充実しています。お茶やコーヒーの詰め合わせやカタログギフトなど、様々な種類の引き出物を選びます。法事の引き出物は当日返しが基本なので、事前にしっかりと引き出物を決めて用意しておきましょう。
引き出物を選ぶ際、香典返しと勘違いして、法事の際の引き出物も半返しと考えている方も中にはいるのですが、法事の引き出物に半返しの決まりはありません。相場に合わせた引き出物を選べば失礼ではないので大丈夫です。ただ、頂いた金額によって個別に引き出物の内容を変えるのであれば、法事の引き出物の相場は半返し(半額)と言われています。この場合は法事の引き出物は当日返しではなく、法事の際に誰からどれくらいお供えや供物料を頂いたか記録しておいて、後日引き出物を贈るようにします。
法事に親族や故人の知人を招く場合、法事の最後に会食の場が設けられていることが多いです。そのため、法事にかける費用は引き出物より会食をメインとして考えます。そのため、会食を行わない場合や、会食の代わりに折詰や弁当を渡す場合には、引き出物の予算を高めに設定するのがいいでしょう。会食なしで引き出物の予算も上げない場合は、会食の費用に相当する金額を「粗飯料」として渡すのがマナーです。粗飯料は現金ではなく、商品券などで渡すようにします。
法事の引き出物は、当日返しが基本です。法事の最後に行われる会食が終わった後、全員に渡すのが一般的です。もしも当日渡せない場合は、できる限り早いうちに、お礼状を同封して郵送します。法事の引き出物は、滞りなく無事に法事が終わった事に対するお礼と報告を兼ねているので、あまり渡すのが遅くなると失礼に当たります。
また、法事の際のマナーやしきたりは地方によって違いますが、年忌法要の場合はお返しの引き出物につける熨斗の種類をつかい分けます。一周忌までは黒白か双銀の結び切りで、三回忌以降は青白か黄白の結び切りにするのが一般的です。
引き出物を選ぶ際は、当日持ち帰る事を考えると、かさばらないものが無難です。最近ではカタログギフトを引き出物にするのが人気です。また、法事は不祝儀なので、消耗品や食べ物などの消え物が良いとされています。お茶や海苔の詰め合わせギフトなど、見栄えが良くてどの家庭でも消費しやすいものを選ぶ方が多いようです。
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