家族揃って正月に食べる料理として定着している、おせち料理。古くから日本全国で親しまれているおせち料理ですが、実は年越しを待たず、大晦日に食べ始める地域があることをご存じでしょうか。
今回は「おせち料理はいつ食べる?地域で異なるタイミング」と題して、おせち料理を食べる時期について解説します。
「地域によってなぜ、おせち料理を食べるタイミングが異なるのか?」という理由についても詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
お正月の風物詩であるおせち料理は、大晦日から食べ始めても良いのでしょうか?
おせち料理を食べ始める時期と、いつ頃から準備を始めれば良いかについて、まとめてみました。
おせち料理を食べ始めるタイミングは、大晦日と元日のどちらでも問題はありません。
ただ実際には、元旦から三が日にかけて食べる家庭が多いと言えます。
元旦とは「元日(1月1日)の朝」のことです。元旦から食べる家庭が主流ですが、地域やライフスタイルの違いによっては、大晦日から食べる家庭もあります。
おせち料理は、食べ始める日の数日前から作り始めるようにします。
まずは、日持ちのする料理から作り始めるのが基本です。献立は12月半ばまでに決めておき、冷凍保存できる食材や乾物などはできるだけ早めに用意しておくようにしましょう。
食材は、年末になるにつれて値段が高くなったり、売り切れたりしやすくなるため、ぎりぎりだと手に入りにくくなる可能性があります。
おせち調理を食べ始める時期には、実は地域差があります。
自分が住んでいる地域や出身地以外は知らないことが多いですが、元日に食べるのはきちんとした理由があります。
関東地方、関西地方を含む多くの地域では元日から食べることが一般的です。
沖縄では、おせち料理を食べる文化がもともとなく、「田芋田楽」をはじめとした郷土料理や豚肉料理、オードブルと呼ばれる盛り合わせなどを食べます。
おせち料理は、ライフスタイルによって、同じ元日でも朝から食べる場合と夕方から食べ始める家庭に分かれます。
朝から食べ始める場合は、家族揃って食べることが多いと言えるでしょう。
大晦日は夜更かししやすく、早朝から初詣に出かける家庭もあるため、元日は遅めの朝食になることもあります。
夕方から食べ始める場合は、親戚へのあいさつ回りやデパートの初売りなどを終えてからというケースが多いようです。
おせちという名前は、「節日(せつにち、せちにち)」と呼ばれていた季節の変わり目に宮中で催されていた「節会(せちえ)」という行事に由来しています。節会は奈良時代に始まったと言われており、この祝宴で神様に供える食べ物のことを「御節供(おせちく)」と呼ぶようになりました。
御節供は古来、元日と五節句の1年で計6回、振る舞われていました。五節句とは、1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日のことで、中国から伝わった暦や風習がもとになっています。
御節供はその後、江戸時代に大衆化されて民間に広まっていきました。元旦だけは、現代でもおせち料理を食べる文化が残っています。
おせちは日持ちする料理が多く、元日から食べ始めるようにしておけば、三が日まで食べ続けられます。
もともと日持ちしやすいとはいえ、具材ごとにその期間は異なるため、あらかじめ注意が必要です。
三が日は親類縁者が集まることが多く、どうしても料理の負担が大きくなりがちですが、おせち料理を振る舞うことで、料理や洗い物などの手間を減らすことができます。
「料理の手間を減らす」というのは実利的な理由ですが、そのほかに、「かまどを守る荒神様に、正月は休んでいただくため」という伝承があります。荒神様は火の神様として知られており、正月に火を使わないことで火事が起こらないようにする、という理由もあったようです。
また、料理をすると出てくる「灰汁(あく)」は「悪」につながるため、正月には調理を避けたほうが良いとされています。
大晦日におせち料理を食べ始めるのは、どのような地域でしょうか。
地域特有の理由もあわせて、ご紹介します。
他の地域と比較すると、北海道や東北地方の一部はおせちを大晦日に食べる家庭が多いのが特徴です。
これは、北海道独自の「年取り膳」という風習が影響しているためと考えられています。
年取り膳とは、大晦日に豪華な料理を家族全員で食べることで新しい「年神様」を迎える風習のことです。
「年神様」とは、正月神や歳徳神(としとくじん)とも呼ばれる神様で、全国的にも知られているお正月の神様です。
九州・四国地方の一部でも、年取り膳の影響でおせちを大晦日に食べる地域があります。
年越しそばは、大晦日の夜に食べるケースが多いようです。夕方などの早い時間帯におせちを食べた後、しばらく経ってから年越しそばを食べます。
北海道では、その後に初詣に行く風習が残っています。
また、雑煮は大晦日のおせちの残りとともに、元日に食べることが多いです。北海道ではお正月の食べ物として、「口取り」という練り菓子を食べることがあります。
本来おせちは大晦日に食べるもので、江戸時代の後期以降から元旦に食べるように変わったとされています。
理由は、おせちが新年の来客のおもてなしに使われるようになったためです。旧暦が利用されていた時代は、日没が1日の始まりでした。当時は、大晦日の日没を元旦とみなしていたのです。
そのほかには、戦前まで続いていた「数え年」の影響も考えられます。
数え年では、誕生日ではなく正月を迎える際に1歳ずつ増える計算になります。大晦日にみんなでおせちを食べることで、誕生を祝う意味があったと言われています。
元日は外出の機会が多く、どちらかというと大晦日の夕方のほうが家族は揃いやすいという理由もあります。また、大晦日に別途食事を用意する手間を省け、家族揃って食卓を囲みやすいというメリットもあります。
大晦日に食べることで「より新鮮な状態のおせちを食べられる」という良さがあります。
意外と残りがちなおせちの残りものを少なくできるのも、大晦日に食べ始める利点です。
いかがでしょうか。今回の記事では「おせち料理をいつ食べるか」について、元日以外に食べ始める地域の情報をあわせてご紹介しました。
三が日に食べるイメージが強いおせち料理ですが、必ず元日に食べ始めなければいけない、という決まりはありません。「元日は忙しくて、家族がなかなか揃わない」という場合は、大晦日にみんなで揃っておせち料理を食べ始めてみてはいかがでしょうか。
いずれにしても、年末はいろいろな用事が重なることが多いため、おせち料理は早めに準備を進めた方が無難です。
「郵便局のネットショップ」では、おせちの通販を行っています。
有名店とコラボした郵便局限定のおせちをはじめ、定番ものから個包装のおせちまで幅広いラインナップが揃っており、ランキングや予算、人数別から選べるため、ご自宅にいながら手軽に注文できます。
特に人気商品は、11月中でも売り切れになる可能性があります。早めに注文を済ませて年末に届くように手配すれば、いつでも家族が揃ったときに食べられるので安心です。
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