「取り引き先への手土産」は、自社との関係性やお相手の社風など、気を遣うポイントも多いもの。それに、どんな時でも、より高級で希少な品の方がふさわしいかというと、一そうでもないのが手土産選びの難しく、面白いところでもあるのです。
取り引き先へ手土産を持参するべきシーンに、決められたものはありません。お相手に喜んでもらい、気持ちよくお付きあいしてほしいときがそのタイミングです。
具体的には、はじめてお目にかかるときや節目のごあいさつのとき、折り入ってお願いごとがあるとき、宴席へ招待していただくといった特にお礼をしたい事柄があるとき、繁忙期やイベント期間中などお相手が取り込んでいるときのお見舞い、こちらの不始末をおわびするときなどが挙げられます。また、お礼やおわびの際に手ぶらで訪れるのは常識を疑われますから、気をつけましょう!
予算に限りはあるにせよ、少しでも高級な品が良いのでは、と考えがちです。確かに、迷ったときには質で選ぶのが失敗しにくいコツ。ただ、例えば訪問先の近所で手に入る高級ブランドは、いただく機会も多いかもしれません。一方、素朴な品であっても入手しづらいものとわかれば「わざわざ用意してくれた」と感激されることでしょう。
この気遣いが特に重要になるのが、お見舞いの手土産。食べづらい高級品よりも、その場で手を汚さずにおいしくいただけるものや、忙しさを乗り切る活力になりそうなものを選ぶようにしましょう。
例えば、取り引き先の重役となれば年齢もそれなりの方が多く、流行の品といったものはよくご存じないことも多いのではないでしょうか。はじめてのごあいさつやおわびなど、ここぞというときにはやはり老舗の銘品のような質で選ぶ手土産が、お相手を立てることにもなりおすすめです。
でもそんな方だって、手土産をお裾分けした若手社員に「今とても話題の品なんですよ」と喜ばれれば悪い気はしません。行列のできている店や、TV・雑誌で紹介された新しい品など、たまに変化球を投げられれば、きっと「よくアンテナを張っている気の利く人」と思ってもらえるはずです。