日本人の平均寿命が延びるとともに、還暦祝いの意味合いも変化してきています。若々しい60代も多い現代では「長寿のお祝い」よりも、「人生の節目のお祝い」としてとらえることも。では、還暦祝いをいただいたら、お返し(内祝い)をすべきなのでしょうか?
還暦祝いはそもそも、家族や親族といった身内だけで宴席を設けるなどして祝うのが一般的。現在でもこうした身内だけのお祝いであれば、あらたまったお返しは必要ないといわれています。
最近では知人や職場の部下など、身内以外の方から還暦を祝ってもらう機会も少なくないようです。こうした場合や、身内からでも特に高価なお祝いをもらった場合などは、一般的なお祝いと同じようにお返しにあたる贈り物やおもてなしをするといったこともあります。
意味合いとしては還暦祝いのお礼やお返しであっても、贈り物にはそれを出さないのが一般的なマナーです。身内の喜びごとを分かち合う意味の「内祝」を名目にするとよいでしょう。のしの表書きも「内祝」または「寿」などとします。
還暦内祝いを贈る時期に厳格な決まりはありませんが、60歳の誕生日を迎える前に還暦祝いをいただいた方には、誕生日を過ぎてからなるべく早いうちにお届けするようにしましょう。誕生日後にお祝いをいただいた方には、お祝いをいただいてから1ヶ月以内に用意します。
還暦内祝いの相場は、いただいたお祝いの「半返し(半額)」程度といわれています。半分だとギフトを用意できないほど少額になるような場合は、あらためて内祝いを用意するのではなく、おすそ分けやお土産など普段のお付き合いの中でお礼をすると良いでしょう。
還暦内祝いの定番といえば紅白まんじゅうなどの祝い菓子です。長寿などめでたいいわれのある和菓子はもちろん、年輪を重ねることにつながるバウムクーヘンなども良いでしょう。あまり記念品風にしたくないようであれば、タオルなどの日用品がおすすめ。量より質で選ぶのがポイントです。
贈り物に添えるお礼状も大切にしたいもの。人生の大きな節目だけに、ついあれこれ思い浮かんで……ということもあるかもしれません。しかし、基本的には「結構なお品を賜りありがとうございます」「おかげさまで無事還暦を迎えることができました」など、祝ってくださった方への感謝の気持ちを中心に、シンプルにまとめましょう。