身内が亡くなれば、たくさんのやるべきことがあり、速やかに行わなければなりません。細かいことは、故人の宗派や地域の慣習、家族の考えによって異なる場合もありますが、ここでは一般的な葬儀から四十九日までの流れについて取り上げます。
亡くなられた方について、医師や警察への連絡が済んだら親族へ連絡しましょう。親族がそろったら喪主を定め、下記のことを手配していきます。
・死亡届の提出
・親しかった方、職場などへの連絡、弔辞の依頼
・葬儀の規模や予算、会場、遺体の安置場所、宗教形式を決める
・祭壇や棺の手配、遺影や棺に収める愛用品を決める
・会食の料理、会葬御礼の文面や品物、当日返しの場合は香典返しの手配
・葬儀費用をどのように支払うかの算段
故人のことだけでもこれだけたくさんありますが、諸々手配する間を縫って、自分や家族の喪服も用意しなければなりません。いざという時でなくとも、あらかじめ故人の意向を確かめておいたり、信頼できる葬祭業者に相談したりしておくと安心です。
通夜や葬儀の間のことについては、葬祭業者がリードしてくれる部分もあるでしょう。無事に済ませたら、下記のことを手配していきます。
・葬祭業者や寺院、神社、教会への謝礼(済んでいなければ)
・(仏式の場合)位牌(いはい)の手配
・故人や喪主の勤務先、隣近所などへのあいさつ回り
・病院への支払い、主治医・看護師さんなどへのごあいさつ
・故人名義の書類や証明書の手続き
・遺品整理・形見分け、遺産相続の手配
これに加えて、次にご紹介する法要や霊祭の手配、仏式で仏壇がない場合はその手配も入ってきます。
仏式では亡くなった日を含めて7日目の「初七日」、さらに7日後の「二七日(ふたなのか)」・・・といった風に、四十九日まで7日ごとに法要を営むのが本来の流れです。ただ、最近はたびたび親族が集まるのも難しいことから、初七日と四十九日のみする場合や、火葬の前に法要を営む「繰り込み初七日」、火葬後に営む「繰り上げ初七日」といった「繰り上げ法要」が見られるようになりました。地域によっては四十九日法要も葬儀当日に繰り上げることがあるようです。
神式では葬儀の「翌日祭」にはじまり、「十日祭」から「五十日祭」まで10日ごとに「霊祭」が行なわれ、「三十日祭」または「五十日祭」をもって忌明けとされます。仏式同様、最近は「二十日祭」「四十日祭」といった霊祭が省略されることも多いようです。本来「香典返し」は仏式の慣習ですが、最近は神式でも忌明けの際に行なわれるのが一般的です。
キリスト教のなかでも、カトリックでは亡くなってから3日目、7日目、30日目、に「追悼ミサ」が行われます。30日目の追悼ミサ後に、香典返しにあたるお礼の品やあいさつ状が用意されることが多いようです。
プロテスタントでは亡くなってから1カ月目に「召天記念式」を行います。こちらも、召天記念式の後にあいさつ状やお礼の品が用意されるのが一般的です。