ご祝儀やお祝いにはさまざまなルールやマナーがあるもの。難しく感じるかもしれませんが、失礼のない対応をするためには必要なことです。今回は出産祝いに関して、水引の選び方を中心に基本マナーをご紹介します。どなたに贈る場合でも共通する内容ですので、覚えておくといざという状況でも安心です。
水引には色や結び方など多くの種類があり、どの水引を選べばよいかは、慣れていないと分かりにくいもの。しかし、水引の意味を知れば、出産祝いはもちろん、ほかのお祝いの時にもおおよその予想がつくようになります。出産祝いでは、水引は「蝶結び」が正解で、「花結び」とも呼びます。蝶結びは何度も結び直せることから「何度あってもうれしい」出来事に適していて、出産・出世・進学などの慶事(お祝い事)や、お中元やお歳暮など季節のご挨拶に用います。
反対に、固結びになっている「結びきり」は、「1度きりでよい」出来事に適していて、結婚や快気祝い、香典などに用います。
慶事の水引は3本・5本・7本があり、中身の豪華さに合わせて選びますが、基本は5本。
3本はプチギフトや粗品、7本は高額な品や相場以上の現金を包むときに用いましょう。少額のお祝いに7本の水引を選ぶと、外見と中身の印象がずれてしまいます。
出産祝いの相場は以下が目安。しかし、あくまで目安なのでお相手との間柄によって幅があります。また、割れる・別れるに通じる偶数の金額は、慶事では避けるべき。例えば2万円の出産祝いなら、1万5千円を現金に、5千円を品物に調整します。少額ずつ出し合って合算した場合にも、合計が偶数にならないように留意しましょう。また、4や9は「死」「苦」に通じるので避けるべき数字です。
・兄弟・姉妹へ:10,000円〜30,000円
・親戚(いとこ・甥・姪・孫など)へ:3,000円〜5,000円
・友人へ:5,000円〜10,000円
・職場内-同僚へ:3,000円〜5,000円
・職場内-上司へ:5,000円〜10,000円
・職場内-部下へ:3,000円〜5,000円
表書きは水引の結び目から上半分に、「御祝」「御出産御祝」のように書き入れます。すでに印刷されているものもありますので毛筆で書くのが苦手な方は探してみてください。
下半分の余白には、贈り主の名前が入ります。お祝いを書いた上半分よりも、心持ち小さい文字で書くとよいでしょう。筆記用具は毛筆や筆ペン、サインペンの黒が適切です。万年筆やボールペンの使用は失礼にあたりますので注意しましょう。