友人や親せきの出産はとてもうれしいもの。早くお祝いを贈りたい気持ちになりますが、出産祝いはいつからいつまでの間に贈るとよいのでしょうか? 病院やご自宅へ伺う場合のマナーは? せっかくのお祝いごとですから、喜んでくれる渡し方を心得ておきましょう。
出産祝いを贈る時期は、一般的に生後7日後からお宮参りをする生後1カ月あたりまで、とされています。
生後7日後は「お七夜(おしちや)」が、生後1カ月後に「お宮参り」があり、出産祝いを贈るタイミングの目安になっています。ただ、最近では出産後1週間ほど入院しているケースも多いので、お七夜のタイミングに合わせると早すぎる場合も。
また、先様はお宮参りの頃に出産内祝い(出産祝いのお返し)の準備をするので、それまでには贈るようにします。
これらの理由から、出産祝いを贈るベストタイミングは生後7日〜生後1ヶ月といえるでしょう。
また、赤ちゃんの誕生報告を年賀状などで受けることも少なくありません。その場合は、生まれてから1ヶ月以上経ってしまっていても大丈夫、報告を受けてから贈るようにしましょう。
出産した側は生後1カ月ぐらいに出産内祝いをある程度まとめて準備しますので、出産祝いが遅れて時期がずれると、先様に手間をかけてしまうことも。どうしても遅くなってしまった場合は、お祝いの言葉とともに遅くなったおわびの言葉を添えて贈るようにします。出産して1年近くたってしまったときは、出産祝いでなくお誕生日祝いとして贈りましょう。
「産後は忙しいだろうから」「すぐに使って欲しいから」という配慮から産前に出産祝いを贈ろうとする人もいますが、これはマナー違反。出産祝いは、赤ちゃんが無事に産まれたことを祝うための贈りものです。出産は何が起こるかわからないこともあり、どんなに妊娠経過が順調であったとしても産前に贈るのは控えておきまあしょう。
ベビーシャワーは、アメリカでの安産祈願を目的としたパーティーのこと。妊娠8カ月までに行うのが一般的で、家族や友人などを招いて食事やゲームなどを楽しむ集まりです。近年、日本でも行われるようになってきていますが、まだアメリカほど主流というわけではありません。とはいえ、これからどんどんと浸透してくる可能性も十分にあります。ベビーシャワーでは贈りものをする場合もありますが、これについては産前の出産祝いには分類されないことがほとんどです。もともと安産を祈願するためのものなので、マナー面でも問題はないといえるでしょう。
ただし、日本ではまだ全面的に浸透してはいません。特に妊婦本人が知らないというケースでは、産前の出産祝いと捉えられてしまう場合もあります。そうなれば、せっかくのパーティーも非常識な行動だと思われてしまうかもしれません。サプライズで行われることもあるベビーシャワーですが、こうしたリスクも考慮して決行前に妊婦本人がベビーシャワーについて知っていることを確認しておくことは必須です。企画や準備に妊婦本人が携わることも一般的なので、サプライズにとらわれずに妊婦本人の気持ちを気遣うようにするといいでしょう。
贈り物に応じて渡し方にはマナーがあります。せっかくの出産祝いなので、基本的なマナーもきちんとおさえておきましょう。
品物は、袋や風呂敷から取り出して手渡ししましょう。また、包んでいた袋や風呂敷は相手に渡さずに、持ち帰りましょう。
出産祝いに現金を贈ることは失礼ではありませんが、マナーには注意が必要。お祝い金は袱紗(ふくさ)に包んで持参し、渡す際は、袱紗からご祝儀袋を出し、相手が文字を読める向きで渡すようにしましょう。また、現金を贈る際は、新札を選びましょう。新札には「新しい門出を祝う」「前もってあなたのために準備した」という意味がありますので、贈る相手へのお祝いの気持ちと心遣いを表すことができます。
親しい友人へ出産祝いを贈るときは、赤ちゃんにも会いたくなるもの。しかし、産後すぐでは体調が戻っていない、あるいは慣れない育児で疲れている場合も。親しくて遠慮のない間柄といっても配慮が必要です。
直接会ってお渡しする場合は、必ず事前に連絡を。当日にも連絡をして、体調などを聞いてからお伺いしましょう。また、贈る側に少しでも体調不良があるなら、行かないようにするのは当然のマナーです。
一般的に、産後は1週間ほど入院するため、出産後すぐの訪問は病院へ駆けつけることになります。訪問するならお祝いを持って行きたいものですが、病院へ伺う場合は事前に出産祝いを持参しても問題ないかを確認しておきましょう。病室の環境は入院先によってさまざま。保管するスペースがあるのか、面会に来た家族に持って帰っていただけるのかなど、確認しておくと安心です。
入院中は母子ともに落ち着かないので、病院に行くのはあまりおすすめしませんが、先様から請われたなら、お伺いしても大丈夫。念のため当日に体調などを聞いてから訪ね、気分転換になるような会話を心がけるようにしましょう。短時間で帰るよう気遣いを忘れずに。赤ちゃんに触れる前には必ず手を洗いましょう。
自宅にお伺いするときも、前もって連絡し、当日も都合を確かめてからお訪ねします。その際も短時間でおいとまする、幼児を連れて行かない、家に着いたら手を洗わせてもらうなどの配慮が必要です。
育児を始めると、お母さんはゆっくりする時間がありません。先様の予定に合わせたとしても、無理をさせてしまう場合があります。こちらの「出産祝いを直接渡したい」という気持ちよりも母子の都合が再優先と考え、状況によってはお祝いだけ先に発送する柔軟さも先様への気遣いになります。