取引先の担当者へ贈る退職祝いとなれば、企業間の関係も意識して、失礼なくこなしたいところ。個人的に贈る場合でも、まずは上司などにひと声かけておくと安心です。それでは、喜んでいただくための注意点と選び方を見ていきましょう。
まずは祝うべき退職なのかをさりげなくリサーチしましょう。例えば、定年や結婚、移住といったライフイベントでの退職はもちろんお祝いするべきですし、独立などステップアップのための退職も、円満に送り出されるようであればお祝いをして良いでしょう。
一方、療養や会社都合などによる不本意な退職の可能性がある場合、全面的に“お祝い”というわけにはいきません。贈り物をしたい場合は“お世話になったお礼”ということにして、のしを掛けたり、お祝いムードの強い派手な品物を選んだりするのは避けた方が無難です。
定年などのライフイベントで退職される方には、プライベートな暮らしで役立てられるものが喜ばれます。コーヒーやお茶を楽しむ道具、上質な部屋着、カジュアルなファッション小物などは人を選びませんし、お好みがわかっている場合は趣味の品などもよいでしょう。
独立や積極的な転職など、キャリアのステップアップのために退職される方には、次のビジネスで役立てられるものを贈ると良いでしょう。他の贈り物と重なる可能性を考えて、ネクタイやカードケースなどいくつあっても困らないものにしておくと安心です。
ちなみに、文房具には“仕事に励むように”、ベルトには“(気を)締めてかかれ”といった上から目線の含みがあるといわれますから、取引先の方へお贈りするのは避けた方が無難です。
お祝いですから縁起の悪い品を避けるのは当然。ただ、退職祝いですから特に“切れる”を連想させる刃物や“別れ”を象徴するハンカチは、退職を機にご縁がなくなるという意味にも取られかねません。また、下着など生活感のあり過ぎる品は「下着にも困っている」といった意味に取られることもありますから、特に不本意な退職をされる方への贈り物では避けたいところです。