新居に移った際にお祝いをいただいたら、お返しに新築内祝いを贈ります。今回は新築内祝い・引越し内祝いの相場や時期、なかなか聞けないのしの表書きの書き方や、意外ときちんと理解できていない「のし」について、水引の色・本数・結び方といったマナー全般についてご紹介します。
さらに、新築内祝い・引越し内祝いとして喜ばれる定番ギフトについて詳しく説明するとともに、おすすめのカタログギフトも3つ詳しく紹介します。あわせて、新築祝いとして昔からよく贈られてきた品々に関する由来や、本来の新築内祝いである「お披露目」についても知っておきましょう。
現代では、「新築内祝い」とは一戸建てやマンションなど新築物件への引っ越し祝いとしてお祝いをいただいた際の「お返し」のことを指します。
また、個人での引っ越し以外にも法人での事務所移転のお祝いに対するお返しも新築内祝いに含まれます。
新築内祝いについては、贈る必要があるのか悩まれる方も多いと思いますが、お披露目を行うかどうかで対応が異なります。お披露目を行う場合は、お土産(引き出物)としてプチギフト(ちょっとしたお菓子など)を贈りましょう。お披露目を行わない場合は、新築祝いでいただいた金額に応じた品物を内祝いとして贈るのが一般的です。
一般的には転居してから1〜2カ月くらいが、内祝いを贈るタイミングです。お祝いをいただいた際にお品やお名前(住所)などを控えておけば、慌てないで準備できます。ただし、お祝いをいただいたのがいつであっても、お礼状やお礼の電話はできるだけ早くその日か翌日までにするのがマナーです。
新築内祝い・引越し内祝いの金額は、他の内祝いと同様に、いただいたお品の「半返し(半額)」が相場だといわれています。ただし、高額のお祝いをいただいた場合や、お品の金額が分からない場合は、相場にこだわらず感謝の気持ちをお伝えしましょう。
水引は蝶結び、色は紅白もしくは金銀の蝶結びを選びます。蝶結びはほどいてまた結びなおせることから「何度あってもうれしいこと」に用いられます。入学祝いや出産祝いなども蝶結びです。一方、「結び切り」は結婚祝いや快気祝いなど、一度きりのお祝いに使用します。
のしには、水引の上に濃い墨の毛筆か筆ペンで「新築内祝」「内祝」、水引の下に贈り主の名前を書きます。二世帯住宅などで、名字が複数ある場合は連名で。その際は親の名字を右側に書くようにします。
また、新築内祝いには、贈答品に直接のしをかけて上から包装紙で包む「内のし」がおすすめです。もともと内祝いには「自分に祝い事があったのでお裾分けします」という意味があり、相手の慶事をお祝いする贈答品ではありません。このことから、控えめな表現に感じる内のしが適していると言えるでしょう。
青果、鮮魚、精肉などの生鮮食品を贈る場合は、のし鮑が印刷されていない水引のみの掛け紙を選ぶように注意しましょう。
お礼状は、相手との関係性やお礼状を書く時期に合わせて、
丁寧に、感謝の気持ちを込めて作成しましょう。
一般的には、これらの内容で作成します。
・頭語(拝啓、謹啓など)
・時候の挨拶
・新築祝いをいただいたことへの御礼
・新居での生活の報告
・内祝いの品物について
・今後のお付き合いに向けた言葉
・結語(敬具、謹言など)
お返しの金額が分かってしまう現金や金券、縁起の悪い品物などは、失礼になってしまうので避けましょう。相手の好みが分からない場合は、予算に合わせたカタログギフトを贈るのが良いでしょう。
内祝いを贈る際に、お礼状を添えずに品物だけを贈るのは、ぶしつけな印象を与えかねません。品物の説明も含めたお礼状を添えて品物を贈るようにしましょう。
そもそもの「内祝い」とは、良いことがあった家が、ご近所や親しい方々を招いてもてなす習慣のこと。お返しの意味ではありませんでした。
また、「お返し」という言葉は「もらったから返す」と捉えられてしまうかもしれません。メッセージカードなどを添える場合は「お返し」ではなく、「心ばかりのお品をお贈りさせていただきます」などとしましょう。
両親からは高額な新築祝いをもらうケースもありますが、新生活をサポートしたいという気持ちが込められていることが多いので、あまり相場に捉われず、新築披露でのおもてなしなどで感謝を伝えるようにしましょう。
間柄によって多少変動はありますが、基本的に相場通り新築祝いでいただいた額の「半返し(半額)」程度の品物を贈るのが良いでしょう。高額になってしまう場合は無理のない範囲で調整しましょう。
会社の慣例がない場合は、相場通りの品物で良いですが、慣例がある場合はそちらに従いましょう。部門で新築祝いをいただいた場合は、いただいた額の「半返し(半額)」程度の品物を全員にまとめてお返しする形でも問題はありません。
タオル、石鹸、バスグッズなど、日常生活で使える定番ギフトは、新築・引越し内祝いにも喜ばれます。最も定番のタオルの場合、個性の強い色や柄物を避ければ、どなたにも使用していただけるでしょう。
消耗品で何枚あっても困らないのも喜ばれるポイントです。
お菓子やコーヒーなどの食品も一般的です。食品を選ぶ場合は、保存のきくものやおすそ分けできるよう小分けされているものを選ぶと、先様の都合に合わせて召し上がっていただけます。
新築内祝いの場合は、建物(入れる物、器)が完成したことに由来して、グラスやカップなど「入れる物」を贈るのが主流でした。また、「家を焼かない(やかん)」としてやかんを贈る、あるいは「火に強い」として鍋などを贈る方もいらっしゃるようです。
予算に合わせて選べるカタログギフトは、先様の好きなものを選んでいただけ、贈る側も品物選びに悩まなくてよいため人気があります。高額のお品をいただいた場合は選べるお品の選択肢が広がり悩んでしまいますが、カタログギフトならその心配もありません。
前述したように本来の内祝いとは、良いことがあった家が人を招いてもてなすこと。幸せのおすそ分けのような習慣でした。新築内祝いも、本来は新居に招いて(新居をお披露目して)お食事やお酒などをふるまうものです。
お披露目をするのは転居してから1〜2カ月の頃、家の内外がよく見られるよう日中にお招きします。この時にいただいた新築祝いを見える場所に飾っておくと先様にうれしく感じていただけます。
お帰りの際にお土産(引出物)として、1,000円前後のお菓子などをお渡しします。のしは前述と同様に赤白の水引、のし書きは「新築内祝」「内祝」とし、送り主の姓を記載します。高額なお祝いをいただいた場合や遠方でお越しになれなかった方、お招きできなかったけれどお祝いをいただいた方には、後日に忘れず、別途内祝いをお贈りしましょう。